丹後ちりめんめぐり 開催!
5回目を数える「げんばめぐり」
場所は、自然豊かな与謝野町の地。
丹後ちりめんを織っておられる工房と、工務店さんをめぐりました。
小雨が降る中、訪れたのが「創作工房糸あそび」さん。
車から降りるとすぐに「ガシャンガシャン、ガシャンガシャン、、」というリズムの良い織機の音が。
さっそく工房の中へ。
まず、紹介して頂いたのが「絹リボン」を使ったマフラー。
簡単に言うと、絹でできたリボンです。
これを経糸に使い、マフラーを織られています。
その他にも、からみ織やドビー織で織られたマフラーや洋服生地がたくさん。
触り心地はどれも、綿菓子を触っているかのようでした。
工房独自の織物は、絹100%にこだっているそうです。
まだ若いとお聞きした職人さんの背中は、ひたむきに織物に向かう姿を物語っていました。
糸あそびさんは、少ない織機と職人さんではありますが、様々な織物を織られている工房です。
国内の百貨店さんはもとより、海外のバイヤーさんともつながりがあるのだとか。
愛犬のワンちゃんは、いつも眠たそうな顔。笑
続いて訪れたのは、「(株)山藤」さん。主に丹後ちりめんの風呂敷を織っておられる所です。
糸あそびさんとは対称的で、手前が町家になっています。
ちりめんのこと、これまでの歴史などをじっくりと説明してもらいました。
丹後ちりめんは、「シボ」と呼ばれる凸凹が特徴と言われていますが、そのシボができる理由なども聞くことができ。
「生産数は減っていますが、若い世代が帰ってきてなんとか頑張っています」と。
そして、その奥には種類の豊富な風呂敷たちがたくさん。
色鮮やかな風呂敷を見て参加者の方からは、「デザインかわいい~」とはしゃぐ声も。
もちろん工房の中も見学をさせてもらいました。
奥へ奥へと続く広い工房には、原糸を撚る機械からあるそうです。
これほど、多くの機械と広い工房をのぞかせてもらったのは初めて。
全ての機械が稼働するほど織物が織られていたと思うと、圧巻です。
そこから今回は、特別に「福田工務店」さんという工務店さんにも見学に行かせてもらうことに。
(株)山藤さんからは車で30分くらいの所で、周りを田んぼに囲まれた広大な土地にあります。
家を建てることが専門ですが、その他にも一枚板のテーブルや木のまな板なども作っておられます。
こうした小物も、大工さんが作っておられるのだとか。
メジャーを指し棒にするところが、木を扱っておられる方だなーと感じつつ。
高大な土地にいくつもある倉庫を案内してもらいながら、説明をしてもらいました。
思わず「すごい」の言葉が口からこぼれるほど巨大な木がずらり。
関西でもこれほど多くの古材を持っている工務店は、あまりないそうです。
作業中の大工さんの横で、体を前のめりにしながら食い入るように手元を見つめ。
そして、倉庫の中に響き渡るノミの音と、大量の木くず。
木は、何百年もの歳月をかけて育ち、伐採され、何十年と乾燥をさせてやっと使える状態になります。
「今使っている木は、300、500年前の木なんだよ」という言葉には、想像を超える時の流れを感じました。
今回見学をさせてもらった創作工房糸あそびさん、(株)山藤さん、福田工務店さん、そして参加者の皆さん、
本当にありがとうございました。
writer:西野 愛菜
photographer:akitsu okd