「車で4時間かかるけど行きたい!」そう言われ、行ってみようと思いますか?
しかもそれが、夜の7時出発でどこか1泊してから、目的地に向かうというプランだったら。
しかもしれが、出発の2日前に言われたことだったとしたら。
ちょっとそれは無理に決まってるでしょ、と言い返しますか?
確かに、弾丸の旅にもほどがあるかもしれません。
でも、その目的地に価値を感じていたり、見たい物や話したい人がいればきっと、人は行こうとする。
自然と体が動き出す。
今回は、そんな弾丸と思えるほど無茶ぶりで、でも心躍る旅でした。
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京都から車で4時間、訪れた場所は「富山県高岡市」
高岡と言えば「高岡銅器」や「高岡漆器」で有名な場所。
その他にも、特産品として和菓子や清酒などが名を連ねる。
もちろん訪れた理由は、高岡銅器を見たいから。
実はこの時期、「高岡クラフト市場街」という会場となっている場所で
展示、体験、食、音楽が楽しめるイベントが開催されていた。
しかも、クラフト系4大イベントが同時期開催である。
(工芸都市高岡2017クラフト展、高岡クラフト市場街、金屋町楽市inさまのこ、銅器団地オープンファクトリー、
が同時期開催)
工芸に関わる人間であれば、これはもういてもたってもいられない。
日程的に行けると分かったとたん、もう体が動きだしていた。
さぁ、出発だ。
まずは、「銅器団地オープンファクトリー」から。
だがしかし、4つのイベントは開催時期がかぶっているだけで、同時開催ではない。
オープンファクトリーというその名の通り、銅器工場がオープンし、見学できるイベントはすでに終わっていた。
残念。。。
すべりこみで、鋳物製造会社「能作」さんの本社FACTORY SHOPへ。
(この建物はイベント開催時期以外でも、入ることができる)
仏具製造から創業された能作さんは、今では仏具の他にもインテリア雑貨などを製造されている。
駐車場のマークまで鋳物のマーク。
大きな建物の中に入ると、目に飛び込んでくるのは鋳物の型。
もうこれは圧巻。
こんなに種類があるのか。。
奥には、ショップ、カフェ、体験ルームが備わっている。多くの人が商品を見ながら、笑顔で品定め。
ウオーターサーバーがあり、能作さんのオリジナルコップで飲むことができる。
持った途端、手に伝わる冷たさと口を付けた時の口当たりの良さといったら。
さて、再び車を走らせ向かった先は「高岡クラフト市場街」が開催されている会場へ。
この時、丁度お昼の時間。小腹が空いたとのことで、まずは腹ごしらえ。
氷見牛コロッケと丼、ホタテ焼きをパクリ。
あっあと、昼からビールをゴクリ。
うまし。これも高岡クラフト市場街の見どころの一つだ。
高岡クラフト市場街は、
<駅前~御旅屋エリア>
<山町筋エリア>
<金屋町エリア>
と3つのエリアに分かれている。半日で全てを周れるのだろうか。。
まずは <駅前~御旅屋エリア> から。
ここでは、高岡伝統産業青年会の方々が鋳物体験を行っていた。
子供から大人まで鋳物体験を楽しめる。
向かい側にあったdd展もチラミ。
「工芸都市高岡2017クラフト展」の開催場所である、大和高岡店へ。
(クラフト展は百貨店の4階で開催)
暖簾風になった入口から入っていくと。。
全国各地から集まった1350点の中から選ばれた、入賞作品が展示販売されていた。
まさかの知っている方の作品が並んでいて、驚く。
さて、再び車を走らせ2つ目のエリア
<山町筋エリア>へ。
あー、まさかの歩いて行ける距離だったことに後から気づく。。
でも、チンチン電車?路面電車? 見れた。笑
明治期の建築を現代に活かし2017年4月にオープンした、山町ヴァレが注目施設。
中に入ると、明治期の倉を改装した場所が広がっていた。
その倉を存分に使い、展示販売。昔の雰囲気が伝わってくる。
あっ、そうそう横には日本酒バルもあった。
イベント開催期間中は歩行者天国になっているので、
しばらくエリア内を歩いてみることに。
お家でできる伝統工芸DIYキットで有名な「はんぶんこ」さんへ。
中は、ショップになっていて工芸関連の商品が買えるようになっていた。
奥は倉を改装したと思われる「図書館」。
図書館という響きがかっこよくて、コワーキングとしても使えるようだ。
横は、体験ができる体験ルーム。
ちょうど体験が始まる時間で。親子ずれが多かったかな。
通り沿いの町屋の中では、それぞれクリエイターさんの展示が行われており。
アクセサリーや鞄、食器の数々。
クリエイターの方々とゆったり話しながら、作品を見れるのっていいよね。
さてさて、最後は
<金屋町エリア>へ。
ここは高岡鋳物発祥の地と言われている場所で、千本(まさのこ)格子と石畳の街並みが今でも残っている。
お屋敷であったことを物語る町屋の数々。
骨董屋さんを営んでいる所や資料館になっている所まで様々。
驚いたことに、今でも人が住んでいた。
なんとイベント期間中は住居を一部開放して展示を行っている所もあったのだ。
軒先では、富山県外から来たという作家さんたちが商品を並べ。島根から来たという作家さんも。
あっ、町屋の中や軒先でやっている展示が「金屋町楽市inさまのこ」だ。
<金屋町エリヤ> も一通り見て。
時間も15時45分頃。そろそろ京都に帰った方がいいかなぁとは思うけど。
何か物足りない。もう1つくらい何かないか。
4つのクラフトイベントをまとめた、新聞状のガイドブックとにらめっこ。。。
あっ、あった!!
「FUTAGAMI 大解放日」
時間は17時まで。まだ間に合う!
ってことで足早に、車に乗り込み。
たくさんの鋳物工業を車で通り抜けながら、向かった先は明治30年創業の真鍮の鋳物メーカー「二上」さん。
真鍮の生活ブランド「FUTAGAMI」を立ち上げておられるメーカーさんでもある。
実は、京都や福井のとあるショップで見かけたことがあり、行ってみたいと思っていた。
もう、工場に入った瞬間感じるあの感動と衝撃と言ったら、たまったもんじゃない。
自然と顔がほころび、目が輝く。
終了時間間際に訪れたにも関わらず、親切にも工場の中を案内してもらえた。
この日は、日曜日だったため職人さんは休みだったが、毎日鋳造を行っていると聞く。
ついさっきまで座っていたかのように無造作に置かれたイス。
そこからは、職人さんの息づかいや作業の熱気が伝わってくる。
もう、この感覚がたまらなく好きだ。
工場の上には、小さく作られたショールーム。かっこいいなぁ。
しばらく話を聞き、終了時間少し前に工場を後に。
さぁ、そろそろ京都に帰りますかぁー。
少し名残惜しいけど、京都に向かって車を走らせる。
これから、また4時間は車だ。
高岡を出発したのは夕方頃。
高速を走っていると、日が沈みゆく時間に。
海に沈みゆく太陽を見たのは、初めてだ。
※イベント開催期間中のみ、開放している場所がほとんどです。
工場見学などで訪れる際は、各会社さんのHPより詳細を確認してから訪れるようにしてください。
writer:西野愛菜
photographer:西野愛菜